解雇

労働契約法に「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」と明文化されています。
労働契約法の解雇は、(昭和50年4月25日:日本食塩製造事件)最高裁で確立した解雇権濫用法理を規定し、法令化させたものです。(労基法第18条の2から移動)
法律条文は抽象的な表現で分かりづらく判断に迷うところですが、解雇する場合は就業規則等に解雇事由を定めている必要があります。解雇手続きについても定めている場合は、それを遵守する必要があります。 定めていない場合でも本人に弁明の機会を与えた方が賢明です。
解雇は、従業員自身の事情(規則違反・成績不良など)によるものか会社の事情(人員整理など)によるものかによって解雇の種類が異なります。以下の3点が主な内容になります。

  • 普通解雇
      @精神的・身体的労働能力が業務に耐えられない場合、または能力が劣る場合
      A労働成績が著しく低く、改善の見込みがない場合
      B服務規律に違反したが懲戒解雇相当でない場合など
  • 整理解雇
      @倒産や経営的危機状態など
      A4要件(解雇の必要性・回避努力・説明責任・解雇基準の合理性)遵守
  • 懲戒解雇


  • 解雇予告

  • 解雇日の30日前にその旨を通知する方法
  • 解雇日に平均賃金の30日分の予告手当を支払う方法
  • 両者の併用ーーーーーー例:6/10に6/30付けで解雇する旨を予告した場合、10日分の予告手当を支払う。(20日分は労務に対して通常の賃金を支払いますが、解雇予告即自宅待機となった場合は、休業手当を支払うことになります。)


  • 管理監督者の範囲

    労働基準法第10条で「使用者とは、事業主又は事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為をするすべての者をいう。」と管理監督者が定義されていますが、当然全てが当てはまるわけではありません。
     「店長」「部長」「支配人」など名前や肩書がどうであれ、その職務内容、責任の程度、指揮命令等の権限、勤務態様、労働時間の規制、ふさわしい処遇がされているのかなどの実態によって判断されるものです。
     管理監督者であっても、深夜労働時間についての割増賃金支払義務があります。また年次有給休暇も付与する義務があります。   

  • チェーン店の飲食業や小売業における管理監督者(H20.9.9基発第0909001号)
        ○職務内容、責任と権限についての判断要素として・・・担当している店の人事権や残業命令
         権等がない場合
        ○勤務態様の判断要素として・・・遅刻、早退等により減給されたり、人事評価が下がる場合や
         労働時間に関して裁量がない場合
        ○賃金等の待遇面での判断要素として・・・地位にふさわしい処遇がされていない場合や一般
         労働者と賃金総額が変わらない場合
            
  • 金融機関(都市銀行等以外)における管理監督者(S52.2.28基発第105号)
        ○取締役、理事等役員を兼務する者
        ○出先機関を統括する中央機構(本部)の組織長で、@部長等、A課長等、B副部長、部次長等
        ○支店、事務所等出先機関における組織の長で、C支店長・事務長等、D本店営業または本店
         等における部長・課長等、E支店長代理・支店課長等、F副支店長・支店次長等
        ○スタッフ職@〜C及び同格以上の者で、経営上重要な事項に関する企画・立案・調査等
         の業務を担当する者


      参考:労基法罰則  労働判例